肉体性の強さとは

同僚のFさんは,地道にSQLServer2005について調査を続けています。現在はフルテキストインデクスを調査していて,自分は今日その(中間?)報告書を読んだんですが,フルテキストインデクス,なかなか興味深い動作をするみたいです.


仕様があるのかないのか分からない状態でFさんは実験を繰り返し,検索ルーチンを推論するくだりが実に面白い.なるほど,たしかに推論通りの動作をしているようだし,説得力があります.ただ,なかなか明文化しづらいのですが...


現在複数の人が様々な角度から.NET 2.0/ASP.NET 2.0/VS2005/SQLServer2005を調査しているのですが,調査レベルがまちまちです.なかには1日で調査〜報告書までを書き終えて,内容は本の丸写し?みたいなレベルもあります.そんなところで見かけの進捗稼いでどうするの?半端な報告書書いたって,後にツケを残すだけなんだが……分かってんのかな?


その点Fさんの報告書からは,調査の深さからくる凄みを感じました.経験に裏打ちされた強さ,そういうのを自分は,肉体性と(かってに)呼んでいます.そう,一時期id:nowokayさんのところで盛り上がっていた,フィジカルの強さ,に似ていますね(似ているので,つい反応してしまった,という事情もあります).


肉体性の強い人は,仕事に余裕があります.逆に肉体性の弱い人は,決まりごとに縛りつけようとする傾向が強いように(個人的には)思います.決まりごととは,例えば開発プロセスやコーディング規約,担当範囲などです.それらはもちろん大事なのですが,もっとフレキシブルに活用したっていいんじゃないのかな?プロセス主体から人間主体へ.うん,アジャイルが尊重する価値に繋がってきた,いい感じ!


オブジェクト倶楽部
http://www.objectclub.jp/technicaldoc/xp/agile_misunderstanding
のなかに,誤解の1つとして"デキる人じゃないと無理?"というのがあったんですが,管理者に限定した場合には間違いなく,肉体性の強い人じゃないと無理だと思います.アジャイルプロセスではウォーターフォール型と異なり,管理者はプロジェクトに深くコミットする必要があります.肉体性の弱い人にとってアジャイルは,ちと荷が重過ぎるのではないでしょうか?


さて,肉体性を高めるにはどうしたらよいか?ですが,経験年数があればいいってもんじゃない.それは結局,

  • どれだけ多くの経験を積んだか?
  • どれだけ多くのことを経験から学び取ったか?
  • いかに深く考えてきたか?
  • それを議論することによっていかに洗練させたか?

といったところかな?つまり,経験がどれだけ血となり肉となっているか?それらを多く実践することで,結果的に肉体性を高めることが出来るのだと思います.


なんとなく勢いでここまで書いてしまいましたが,それはFさんの報告書のせいです.
こういう人が会社にいるうちは会社も安泰です.え?転職したい?う〜ん,まいったな.