Microsoft Visual Studio 2005によるWebアプリケーションテスト技法

先ほど読み終わりました.
これは力作ですねー.テストってよく下流工程なんて言われて,初級レベルの開発者が行なうものってイメージがあると思うんですが,実際のところはとてもクリエイティブで創造性を発揮できる分野であり,また完全にバグがなくなるまでテストするということが難しい(出来ない)ので,どこまでやれば十分かを考える必要があったりと,開発とは別の難しさがある工程だと思っています.書籍にもしづらい分野だと思うのですが,この本は奇をてらったりせず真正面から取り組まれており,真摯さが行間からひしひしと伝わってくる.いい本だなーってことが読めばすぐに分かります.会社を出る直前に早速皆に読むよう薦めました.


ただ,いい本だと理解した上で,ちょっとこれまでのシリーズと違和感を感じました.『.NETエンタープライズWebアプリケーション開発技術大全Vol.1〜5』を始めて読んだときは,当時ASP.NETにものすごくてこずってて,現場で苦労してようやく獲得した知識があっさり書かれてたので,なんでもっと早く読まなかったのだろうと悔しい思いをしたものでした.前作『Microsoft Visual Studio 2005によるWebアプリケーション構築技法』のときも,TableAdapterやTransactionScopeといった魔法のような技術に,すっかり虜になっていました.いずれも,ASP.NETADO.NETの知らない機能を深く理解することができた,という満足感があったと思います.今回の場合,ASP.NETの話はあまりありません.テストの考え方とそれをサポートするツールの説明が主です.それが悪いわけでは全然ないのですが,ちょっとこれまでとは異色だなと思いました.
あとは,やっぱりVSTE+TFSって大規模開発用なのね,ってこと.少人数のチームで開発する場合には専任のテスターを付けるのは難しい(ジョエルに怒られるけど)だろうから,そうするとちょっとオーバースペックな気がしないでもない.でもバグトラッキングシステムはいいなーと思ったり.まぁ,そのへんがもやもやするところではあります.